フジコヘミングみたいに「愛の夢」を弾けるようになりたいKUMAKOです。
さて、先日、映画「フジコヘミングの時間」上映会&ミニコンサートのために、東京から京都へ日帰り旅行してきました。
私は、見たいもの聴きたいもののためには、結構どこにでも行くタイプの人間なのですが、まさかの大雨とバッティングして、新幹線2時間遅れ・・・。
映画「フジコヘミングの時間」上映会&ミニコンサートでは、最初の2時間が映画・後半1時間ミニコンサートというスケジュールだったため、映画を丸々見られず。
結局その日は、後半のコンサートだけ聴いて、すぐに京都から東京にトンボ帰りし、後日映画を別途見に行きました。
なかなかの冒険でしたわ・・・。
ということで、今日は、映画「フジコヘミングの時間」の感想とミニコンサートについて記事にしてみました。
目次
映画「フジコヘミングの時間」について
フジコヘミングはどんな人?
60代後半でNHKのドキュメンタリー番組から一気に火が付いたピアニスト。
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- スウェーデン人のデザイナーをしていた父とピアノ講師の日本人の母の間に生まれる。
- 無国籍のため難民としてピアノ留学。苦しい貧乏生活を味わう。
- 有名な指揮者に才能を見出されるもリサイタル直前に聴力を失う。
- 失意の中ピアノ講師の資格を取得してヨーロッパを転々とする。
- 母が亡くなった2年後にひっそりと日本へ帰国。
生い立ちを見ていると、「神様はどうしてフジコさんをこんな目に合わせるのかしら?」という気持ちになってきます。
元々、ピアニストとしての才能は持ち合わせていて、きっかけさえあれば、いつでも花開く状態だったのにも関わらず、次から次へと壁が阻む。
フジコさん本人が
「私は、人より苦労しているから、その苦労がピアノの芸術性を高めていると信じている。」
と言っていたように、より大きな成功のために神様が課した試練だったのでしょうか。
そして、色々な壁に阻まれながらも、ピアノを辞めることはなく、60代後半でNHKに取材されて一夜にして時の人に。
フジコヘミングの「奇蹟のカンパネラ」はクラシック界では異例の200万枚を売り上げたとか。私も持ってますが、個人的には「ため息」が好き。
NHKに取材されたのも単なるラッキーではなく、彼女が年に1回東京芸術大学でコンサートを行っていたからで、自らの行動が引き寄せたものですがね。
現在は、NHKのドキュメンタリー番組から20年の時が過ぎ、80代後半になりましたが、未だに年間60本のコンサートのために世界中を飛び回っています。
ミステリアスで、知れば知る程「もっとこの人のこと知りたい!」と思わせる人っているけど、フジコヘミングもまさしくそういう人。書籍を読んだり、コンサートに行ったり、映画見たりしても、もっと知りたいなぁって思う。存在自体が芸術みたいなところある。
— くまこ (@kumakumako0901) 2018年7月17日
映画の見どころは?
映画の見どころは、何と言ってもフジコヘミングが奏でるピアノの音色。
リスト「ため息」「ラ・カンパネラ」、ショパン「ノクターン9-2」「別れの曲」、ドビュッシー「月の光」、ベートーベン「月光 第1・第3楽章」、「トルコ行進曲」etc・・・。
などが映画の中で流れ、美しい音色に暗い映画館でついついスヤスヤと寝てしまう人も続出です。(笑)
特に、フジコヘミングの代名詞である「ラ・カンパネラ」は、フジコヘミングのこの曲への想いが語られつつ、最初から最後まで流れて、私はとても感動しました。
「ラ・カンパネラ」は、いつか弾きたいと思っている曲ですが、楽譜を見ると「誰にも弾かせないつもりで作ったのかな?」ってほど難易度が高いです。
映画では、フジコさんの手元を映しているので、その難しさがありありと理解できると思います。
(旦那さんはフジコさんの高速の指の動きに「え、えぇ!?」って声あげてた(笑))
そして、フジコさんは、京都・ベルリン・パリなど世界中に家を持っているのですが、どの家もめちゃくちゃ素敵なんですよね。
芸術家らしく「家を色々いじるのが好きなんだけど、納得いくまで時間がかかる。」とか。
アンティーク家具を置いて、絵や写真を飾り、物は多くても居心地がよさそうな家。
(ミニマリストへの憧れが霞む素敵さ。)
フジコさんは、自分の名前よりも家を残したい人らしく、家には並々ならぬこだわりがあって、京都の古民家を改造するなど、新しい家より古い味のある家が好きみたいです。
そんな家でフジコさんがインタビューを受けていると、絶対1匹は画面を猫が通り過ぎていきます。(笑)
フジコさんは動物が大好きで、動物愛護の寄付にも力を入れているし、世界中の家で猫や犬を飼っていて、どの子も可愛すぎました。
フジコさんと可愛い動物達との関係も、この映画の見どころのひとつですね。
フジコヘミングのピアニストとしての評価?
時々、フジコヘミングのピアニストとしての評価について、「ミスタッチが多く、技術が低い」と言う話を聞いたりします。
「もっと技術の高い人はたくさんいる」「楽譜通りに弾いていない」などなど、
有名になればなるほど、アンチも増えていくものなのかもしれませんが。
フジコヘミングはあまりにも有名になってしまったので、色々な意見を耳にする機会もあるとは思いますが、「演奏を聴いて何を思うか?」は自分で判断してほしいです。
専門家がどうのこうの言っているのって、一般大衆からしたら「ふーん。だから?」って話じゃないですか。
芸術なんて、頭で考えるものじゃないし「好き」「嫌い」以外に何かあるの?って世界。
フジコヘミングのピアノを聴いて、好きな人はそれでいいし、嫌いな人はそれでいいと思います。
「生き方が支持されているだけ。」って言っても生き方も含めて、芸術だと私は思っています。
ぜひ、フジコヘミングのピアノを自分の耳で聴いてみて、自分の心で感じ取ってもらいたいと思います。
映画「フジコヘミングの時間」のミニコンサートについて
さて、映画「フジコヘミングの時間」の公開を記念して行われたミニコンサートの感想を書きたいと思います。
京都で開催された上映会&ミニコンサート。
フジコヘミングのコンサートは、ずっと昔に母と1回聴きに行ったきりでしたが、あいかわらずの美しい音色を聴かせてくれました。
ミニコンサートの曲目と感想
京都から東京に戻ってきました。「フジコヘミングの時間」上映会&ミニコンサート。行きは2時間、帰りは1時間遅れでしたがコンサートは全部聴けたからOK
曲目は、ドビュッシー「月の光」、ショパン「黒鍵のエチュード」「ノクターン第1番」、リスト「愛の夢」「ラ・カンパネラ」でした!— くまこ (@kumakumako0901) 2018年7月6日
ドビュッシーの「月の光」は映画でも何回か流れていましたが、やっぱり生は違いますね。
「音には色がある。絵と一緒。」とフジコさんは、言っていましたが、私はキラキラと何かが降ってくるようなそんな音に聴こえました。
弾き終わった後、観客からため息が聞こえるくらいうっとりとさせてくれる演奏でした。
リストの「愛の夢」は、私がピアノ曲で1番好きな曲なのですが、いくら練習してもフジコさんのように弾ける気がしません。
気持ち悪いくらいメロディスティックに弾くのが私の目標なのですが、本人頑張っているつもりでも、淡々とした音色になってしまいます。
とにかく、この曲では、フジコさんの弾き方を盗めるだけ盗みました!他の曲も知っている曲ばかりだったので、嬉しかったです。
久しぶりに聴いた、フジコヘミングの生演奏。新幹線が遅れるなど、色々トラブルはありましたが、行ってよかったと思いました。
ゲイのエイジロウさん登場
フジコさんのパリでの友人で、確かイタリア人(?)のバイオリニストの男性と結婚しているエイジロウさんが、フジコさんの前に歌ってくれました。
エイジロウさんは、声楽家なんですが、イケメンで姿勢が良くて、歌声も素敵でした。
パートナーの男性もめちゃイケメン。イケメン同士のカップルです。
エイジロウさんは、フジコさんがコンサートで世界を周っている間に猫の世話をしてくれたり、年越しを一緒に迎えたりなど、フジコさんが信頼する友人のひとり。
コンサートのあとのトークショーで、フジコさんとエイジロウさんの出会いについて話していましたが、エイジロウさん曰く、
「道を歩いていたら、素敵な女性が歩いてきたのでナンパしました」とのこと。(笑)
私はピアノが大好きだけど、歌も立派な楽器だなぁ、歌もいいなぁと思わせてくれました。
成功した後のフジコヘミングを追う映画
20年前のNHKのドキュメンタリーは、成功する前のフジコヘミングを追ったものでした。
「フジコヘミングの時間」は成功した後の、フジコヘミングを追ったドキュメンタリー映画です。
80代後半にして世界中を飛び回って、未だ挑戦をし続けているフジコヘミングに勇気を貰える人も多いのではないでしょうか?
私は、フジコヘミングの「楽しいことばっかりでツラいことがないってのは、ちょっとどうかと思う。センチメンタルもいいじゃない」という言葉がとっても好きです。
胸に抱えたツラいことや苦しいことを「センチメンタル」と表現して、芸術に変えるのは、やっぱり芸術家ならではだなって思います。
興味のある方は、ぜひ映画を見てみてくださいね。