先日、神保町の本屋さんに行って、フジコ・ヘミングさんの書籍を購入してきました。
フジコ・ヘミングさんは私が大好きなピアニストの方なのですが、戦争の時代を生き、さらに多くの挫折を経験している方。
例えば、大きなチャンスが巡ってきたリサイタルの前日に風邪をこじらせ、聴力を失うといった、「ドラマや漫画でもそんなことあるかね・・・」といった経験をしています。
それでも諦めずに努力を続けていたところ、60代後半にしてNHKの取材を受け、放送された途端大反響。一夜にして人生が大きく変わった方です。
今日はそんな多くの人生経験から紡ぎ出された言葉が印象的なフジコ・ヘミングさんの書籍「くよくよしない力」についてまとめてみました。
私がそうであるように、何かに悩んでいる人や苦しい中にいる人は、勇気付けられる言葉をもらえるのではないでしょうか?
フジコ・ヘミングさんはロックなお方
2018年に上映された「フジコ・ヘミングの時間」では、NHKのドキュメンタリーが放映されて大ブレークした、その20年後のフジコさんの生活を映画化。
私は、京都に映画とコンサートを見に行ったんですよね。(ちなみに私は東京在住です。どうしても見にいきたくてチケット取ったけど、電車が遅れるというハプニングもあった)
映画「フジコ・ヘミングの時間」の中では、めちゃくちゃロックなフジコさんを見ることができます。
まずは、ファッションがすごい。80歳を超えているのに、、というと年齢差別みたいでよくないかもしれませんが、いっつもおしゃれで可愛い服を来ている。
髪飾りもリボンとかバレッタをいつもつけていて、髪も金髪に染めている(多分、元々は黒髪?)、さらにメイクもバッチリです。
本人は裁縫が得意で、衣装なども自分で既製品をアレンジして着ているらしいです。本当に素敵です。
さらに、アルゼンチンとかでリサイタルを終えた後、フジコさんは夜の街を「ふ~今日もリサイタル終わったわ」って感じでふらつくんです(笑)
素人目には、「え?この街、夜出歩いて大丈夫?危なくね?」って感じなんですが、それでタバコを吹かしながらバーに1人で入っていくという。そして、場末みたいなところでお酒を飲むと。
で、映画では「若い指揮者の人に恋しているの」と言っていました。そして、どの後、どうやらおつきあいをするようになったようです。30歳くらい年下の指揮者の男性と。
どんなやねんと。ロックすぎでしょ、と。生き方がロック。
恋に関してはフジコさんは映画で、「恋って素敵よね。恋して2、3年幸せならそれでいいじゃない」と言っていました。
う〜ん、なかなかそう思うのって難しいんですけどね。誰かに依存しない姿勢も美しいです。
そんなロックなフジコさんが書いた書籍の中から、印象に残った言葉を抜粋していきたいと思います。
「くよくよしない力」印象に残った言葉
愛を注ぐ存在を作る
相手に何かしてもらうのではなく
愛情を注ぐ存在がいれば
自分の不幸なんて
たいしたことないと思えてくる
フジコ・ヘミング「くよくよしない力」
フジコさんは積極的に動物保護活動を行っている人ですが、特に猫が大好きで、世界中に所有している家で捨て猫の面倒をみています。
そんなフジコさんは結婚しておらず、子供もいません。
昔、赤ちゃんを養子にしようとしましたが、「あなたは結婚してないから許可はおりないと思います」と言われたそう。
結婚もできず、子供を育てることもできない。でも、人生には自分がいくら望んでも手に入らないものはあるから仕方ないと思ったそうです。
そして、フジコさんは音楽と見捨てられた猫たちに愛情を注ぐことを選びました。
愛情を注ぐ存在とは、奥さんや夫や子供だけではなく、人それぞれなのだと。そういう存在はきっと人生の中で見つけられると書籍で綴られています。
愛されることを待つのではなく、自分から愛を注ぐことで、自分の不幸なんて大したことないと思えてくるのだそうです。
確かに、多くの人が「愛される」ことを過剰に期待してしまっているのかもしれません。それよりも自分から積極的に「愛する」方が、実は自分の心を満たせるのではないかと考えさせられました。
幸福と不幸は半分ずつ
幸福と不幸は半分ずつ
一生、幸福な人もいないし
一生、不幸な人もいない
フジコ・ヘミング「くよくよしない力」
フジコさんは脚光をあびるようになったのが60代後半と遅かったこともあり、
「何かを始めて、これで成功しようと思っているときは、全然成功しないものね。そういう運命なのだから、じたばたしても仕方ない」
とおっしゃっています。
運命は変えることはできないし、人生も変えることができない。今を受け入れることが大切だと。
幸福と不幸は半分ずつなのだから、悪いときには無理して人生を変えようとせず、自分を磨くことが大事で、人生を悲観しなければ必ずいつか幸せは巡ってくると。
確かに私もどうしても身動きの取れないような辛い気持ちになるときがあるのですが、その時は開き直って「もうどうしようもないから、とりあえず自分でも磨いとくか」と思ったりします。
なので、この言葉にすごく共感しました。
1人の時間を自由で楽しいものにする
いろんなことを乗り越えれば
孤独を楽しめるようになる
好きなことに熱中していられる
1人の時間は自由で楽しい
フジコ・ヘミング「くよくよしない力」
フジコさんは父親がスウェーデン人でハーフだったこともあり、小さい頃から仲間外れにされてきたという経験があります。孤独に心折れそうになったこともあるそうです。
でも、その経験がフジコさんを強くし、自分は自分と思い続けることで、ひとりでも平気と思えるようになってきたとのこと。
恋愛や結婚で孤独がなくなると考えた時もあったけれど、フジコさんの周囲は幸せな結婚をしている人がほぼいないということもあり、そういうことじゃないんだと気が付いたそうです。
裁縫や手芸が趣味のフジコさんは、ひとりで次の演奏会の衣装を考えている時間がとても幸せだとおっしゃっています。
ひとりだから孤独と決めつけず、何か趣味や好きなことを見つけて熱中することって本当に大切だな、と感じました。
孤独は自由とも言い換えられると思います。私ももっとひとりで熱中できることを探して、人生に取り入れていきたいと感じました。
まとめ
フジコヘミングさんの書籍、「くよくよしない力」についてまとめました。
フジコさんの人生は波乱万丈で多くの挫折や辛いことも経験しているため、言葉のひとつひとつに力があります。
そして、ピアノを聴いていても分かりますが、彼女の感性もやっぱり素晴らしいです。
それは色々な挫折の中から磨かれたものだったり、彼女の考え方や姿勢から出てくるもだったりするのだと思います。
今後も、フジコさんの書籍やピアノを楽しんでいきたいです。